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暑熱対策について | 2001年08月 |
2001 暑熱対策について「愛知県酪農家の取り組み」 |
視察時の最高気温は34度まで上がり湿度も高く、暑熱対策の実際を研修するには格好の気象条件となりました。
暑熱対策その1:新鮮な水を十分飲めること。重曹と食塩の自由採食。 |
![]() フリーバーンに設置された換気扇 | 今回視察した酪農家は50頭から200頭の牛群で、乳量も高く(10,000Kg以上の牛群)、疾病の発生も少ない酪農家がほとんどでした。 最初に見学したフリーバーン農場に到着したのは、午後2時で外はかなり暑くなっていました。しかしながら牛舎内では座って反芻している牛も数多く見られ、この様な厳しい環境のなかでも、牛群は落ち着いている様子でした。 |
暑熱対策その2 :換気扇の設置の高さとリレー式換気システムの注意点。 |
![]() フリーストールに設置された換気扇 | フリーストール、フリーバーンにおける換気扇の設置に関しては、まずその換気扇の数に圧倒されました。写真はフリーストールでの一例ですが、数や換気扇の設置の間隔、角度もさることながら、換気扇の設置方法で考慮しなければならない点について考えさせられました。換気扇の設置の高さ(特にベッドの上に設置してある換気扇の高さ)と送風システムです。 |
暑熱対策その3:ミストシステムの利用 |
暑熱対策その4:給与体系の工夫 |
北海道の場合と異なり、粗飼料はほとんどが購入粗飼料の形態を取っていました。従ってサイレージの発酵品質や栄養成分、または水分の変化などTMRを給与するのに考慮しなければいけない要因が少ないことがその特徴です。また吟味された粗飼料の使用により、高品質の粗飼料が給与可能となります。粗飼料が購入飼料であるため、TMRは低水分となってしまうので十分に加水し、水分調整をして給与されます。サイレージを給与しないので給与後の2次発酵の心配をする事なく(もし副産物を使っている場合は、2次発酵する事もあるようです)、TMRを給与できます。しかしながら、どうしても夏場の暑熱ストレスによって乾物摂取量は低下するようです。TMRの摂取量が低下してきた場合、TMRの変更の手法は、粗飼料とデンプンを同じ様な割合で減らすが、ビートパルプ、ビール粕などの中間飼料の増給や、ミネラル、ビタミンの給与量は変更しないようにして調節する事が、夏場の暑熱対策を考えたTMRの調節法とのことです。
最後に |
今回の視察では、そのほかつなぎ牛舎のトンネル暑熱対策(25個の換気扇が設置されたつなぎ牛舎)、屋根の散水システム、帰り通路でのシャワーシステムなど、多くの興味深いシステムを視察しましたが、またの機会にお知らせします。
技術部 技術課 内田勇二(獣医師)